王太子殿下の花嫁なんてお断りです!
重たい沈黙の中、オリヴィアはメイの名前を呼んだ。
「メイ、どうしてこんなことしてるの? 何か理由があるんでしょう? 話を……」
「うるさい、黙れ!」
メイは怒鳴った。
オリヴィアはメイが怒鳴るところを初めて見た。だからこそ驚いた。いつもおっちょこちょいで一生懸命な彼女がこんな風に怒ることがあるなんて思ってはいなかった。
「私は、私が選んで西の国に寝返った裏切り者になったんだ! この選択に悔いは無い! それにいい加減うんざりしてたんだ、あんたみたいな物知らずの令嬢のお守りなんて! ああ、清々した。これであんたと離れられる」
メイの言葉はなんだかメイのものではないような気がした。それはいつもとは違う口調だからか、視線が合わないからか、そのどちらもだろうとオリヴィアは思った。
「お前もアンスリナも、西の国が栄えるための生贄になるんだよ。良かったじゃない、役に立てて死ねるんだ!」
メイは狂ったように笑う。
違う、メイはこんな風に笑わない。もっと穏やかに笑えるのだと記憶の中のメイがオリヴィアに微笑みかけている。
「メイ」
「結婚が嫌だとか、貴族社会が嫌だとか、贅沢な家に生まれておいてワガママ言いすぎたからその報いだよきっと。しっかり受けとめてよね」
メイは捲し立てるようにしてオリヴィアを打倒する。
報いだなんて。メイはいつも言ってくれたのにとオリヴィアは思った。
お嬢様の思うとおりに選択して下さいと言ってくれたのに、と。
「メイ、待って」
「憎い? 憎いよね。分かるよ、いいよ恨んでくれても。私は何も思わないから」
それだけ言い残すとメイは背中を向けて会談を上りだした。
「メイ!」
強く叫ぶとメイは足を止めた。
「メイ、一つ聞かせて。
メイが選んだ道なら、どうしてそんな辛そうな顔をしているの」
メイは何も答えなかった。何も答えずに会談を上ってしまった。
「メイ、どうしてこんなことしてるの? 何か理由があるんでしょう? 話を……」
「うるさい、黙れ!」
メイは怒鳴った。
オリヴィアはメイが怒鳴るところを初めて見た。だからこそ驚いた。いつもおっちょこちょいで一生懸命な彼女がこんな風に怒ることがあるなんて思ってはいなかった。
「私は、私が選んで西の国に寝返った裏切り者になったんだ! この選択に悔いは無い! それにいい加減うんざりしてたんだ、あんたみたいな物知らずの令嬢のお守りなんて! ああ、清々した。これであんたと離れられる」
メイの言葉はなんだかメイのものではないような気がした。それはいつもとは違う口調だからか、視線が合わないからか、そのどちらもだろうとオリヴィアは思った。
「お前もアンスリナも、西の国が栄えるための生贄になるんだよ。良かったじゃない、役に立てて死ねるんだ!」
メイは狂ったように笑う。
違う、メイはこんな風に笑わない。もっと穏やかに笑えるのだと記憶の中のメイがオリヴィアに微笑みかけている。
「メイ」
「結婚が嫌だとか、貴族社会が嫌だとか、贅沢な家に生まれておいてワガママ言いすぎたからその報いだよきっと。しっかり受けとめてよね」
メイは捲し立てるようにしてオリヴィアを打倒する。
報いだなんて。メイはいつも言ってくれたのにとオリヴィアは思った。
お嬢様の思うとおりに選択して下さいと言ってくれたのに、と。
「メイ、待って」
「憎い? 憎いよね。分かるよ、いいよ恨んでくれても。私は何も思わないから」
それだけ言い残すとメイは背中を向けて会談を上りだした。
「メイ!」
強く叫ぶとメイは足を止めた。
「メイ、一つ聞かせて。
メイが選んだ道なら、どうしてそんな辛そうな顔をしているの」
メイは何も答えなかった。何も答えずに会談を上ってしまった。