花鳥風月


窓の外を見る。


あの、祭りの日と同じように星々が散らばっていた。


まるで、子供が空に綺麗なおもちゃを散らしているような、そんな夜空だ。


それらは線で結ばれ、形になり、夜空を巡っている。


思わず涙が零れそうになる。


少しでも動かしたら、夜空もろとも消えてしまうほどの儚さ。


星を見ただけで涙腺を刺激されてしまうなんて、私はどうかしているのかもしれない。


それとも、彼のことを考えていて悲しくなるのか。


一人でも生きていける彼は、私のことなど考えなくてもやっていけるのだろう。


悲しいのに、温かい。


私は、ずっと彼の光になりたかったのだ。


彼の側に、ただいたいだけ。


そうすれば、もしも真っ暗闇の中に彼が一人でいても、私は救い出してあげられる。


< 7 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop