【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
第十六章 待宵の契り



―泣き叫んだ。


君を失って、ただ、苦しくて。


何度も、何度も、君の名前を呼んだ。


でも、君は答えなかった。


女王、詠わん。




―嗚呼、願わくば、来世、君が妻となりて、
消えぬ幸を世に巡らさんことを。




【宵始殿―新たなる命、旧神殿、女王の手紙―より】


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