【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―



『……昔の、私のようだ』


廉海を、ただ、愛してたあの頃の自分と重なった。


遠くなっていく日々。


何故か、懐いてくれた円皇后。


暴政により、翠蘭様は疲弊し、苦肉の策をとった。


それは、あちこちで怒った暴動を全て統一してしまった、ひとつの大きな革命軍に、皇帝を殺してもらうこと。


第一皇子の母であった湖烏姫は、多くの罪を犯しすぎた。


そのせいで、存在すらも消されそうになっていた。


第一皇子の母は、世間では柳皇太后―翠蘭様だったのに。


自分の名誉より、評判より、彼女は民の命を願った。


そして、円皇后もまた、


『私では無力だったのです。……さようなら、愛晶様』


自らの命を、愛する人のために断つことを選んだ。


やりたくても、廉海が殺されてしまった時に取れなかった道を、円皇后はいとも簡単に選んでしまったのだ。


素直に羨ましい、と思った。


彼女の愛を貫いたその姿勢を、心の底から―……。


(ああ、そうか)


この後宮は大きくなった。


革命軍の長だった、第六皇子が皇帝となった。


多くの腐敗した場所を一気に清掃し、人の規制が厳しくなった後宮が出来あがった。


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