【完】李寵妃恋譚―この世界、君と共に―
革命の際、先々帝と先帝の妃嬪侍妾は大まかに懐妊中の妃、寵愛を受けた妃、受けていない妃と分けられ……受けたものは自害または世を捨て、受けていないものは嫁がされた。
自害を除いて命を失った妃は、国を傾ける一端を噛んでいたもの達で、当時、懐妊中の妃だったものは……皆、後宮で未だ、暮らしていると聞いた。
なお、革命の際に既に成人していたもの、成人しておらずとも、革命軍に牙を向いた家、王子、妃、公主は問答なしに処刑されている。
そこから付いた、"冷酷非道の冷武帝には逆らわず”という言葉は、今、誰もが知っていることであり、寵愛を望む反面、恐れている。
「大きな声では言えないことですが、先帝陛下を断罪するように仰ったのは、皇太后陛下御自身にございます故」
「……」
「皇族というものは、時折、非情な判断を下さなければならない時もあります。皇太后陛下は、この国のために決断なさった。ですから、陛下も手出しはなさいません。母親として、彼女を敬っておられます」
先帝陛下の母、それが、今の皇太后。
国のために、我が子を切り捨てた。
それが正しい判断だったのかはわからないが、先帝に殺された人が多く居て、翠蓮の父がその中の一人だったのも事実。