その悪魔、制御不能につき



「言っても無駄だと思うけど、早く私を解放した方がいいわよ」


「あら?命乞いでもするつもりぃ?」


「それはどちらかというと貴女たちの方なんじゃない?」



見下ろしてくる女に挑発的に微笑む。確かな根拠だなんてないけど、少なくとも目の前の女よりも社長のことはよく知っている。


あれだけ私に執着している社長がこういうことに対して何も考えていないはずがない。ついでに言うとその執着を誰よりも理解しているであろう都築さんも対応策を用意していないわけがない。


詳しくは知らないし知りたいとも思わないけど、社長と一緒に住んでて私がどういう生活をしていたのか、本当に外出していないかどうかを社長は把握してると思う。そして私が拐われたことにもいち早く気づいたはず。


それなら社長が何か手を打っている可能性は十分にある。…なんて、いろいろ考えつくことはあるけど、結局のところは私が社長を信じてるってことなのよね。助けに来てくれるはずっていう夢見がちな思いじゃなくて執着じみた思いを信じているところがロマンチックとは言えないけど。



「例え私がここでどうなろうがきっと社長は私のことを逃がさないし、貴女のことも視界にすら映さない」



それでもいいなら好きにすればいい。どれだけのことをされようが社長の思いは変わらない。そのことに自信があるから私の思いも変わらない。



< 43 / 70 >

この作品をシェア

pagetop