その悪魔、制御不能につき



余程信じられないという顔をしていたのか社長は少し眉間に皺を寄せて何かを思い出すように視線を上に向ける。



「まだ小学生だったときあいつが可愛がってる子猫がいて、」


「は?」



いきなり何か昔話とかされてもこちらはついていけない。しかし相手は社長である。あの我が道を行くある意味で傲岸不遜、ある意味でマイペースな社長だ。


今までの経験からして私が何を言ったところで止まらないことは十二分にわかっていたのでとりあえず口を挟むのは堪える。



「なんかダンボールの中に捨てられてたから拾ってきたらしい。白くて小さくてふわふわした子猫であいつは珍しくすごく可愛いがってた」



それはもう本当に可愛がっていたらしい。友人知人にどこかへ行こうと誘われても穏やかな笑みで一刀両断、学校が終わったら即家に帰って遊んで寝るときも一緒、休日もずっと一緒だったとか。


それでそんなに可愛がっている白い子猫が気になって社長は嫌がる都築さんの家に無理やりついて行った。


社長曰く、この頃の自分は傲慢さに磨きがかかっていたらしい。(え、今より?と思ったが口にはしない)まぁいいところの家の子供なんてものすごく厳しく育てられるか甘やかされるかのどちらかだろう。社長はなまじ天才じみてたから後者だったのね。


この頃の子供というのは他の人が持ってるものを欲しくなったり生き物を飼ってみたくなるものだ。それで社長も都築さんの子猫が羨ましくなったらしい。



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