誰も読まなかった青春小説、「青い風のような貴公子たち」
街へと、あの華やかな街へとタカシは出ていった。金がないので居酒屋で酒を飲むことも出来ず
,寿司を食べることも出来ず、鮮やかに輝く赤や青のネオンを眺めながらタカシは歩き続けた。
長い浪人生活で頬の肉はコケ落ち、頭蓋骨の輪郭をはっきり感じさせながら、タカシはA大学の
学生の座に収まったのである。大学に入って驚いたのは、クラスの女子大生と言っても女子高生のような表情をしていて
、まるで粉ミルクを飲んでいる子供の表情があって、場違いなところへ来てしまったとタカシは思うのである。それが2年3年と進級しているうちに成熟した若い女のようになってくるから
不思議である。3年ぐらいになると貫禄もついてきて歩き方も堂々としてくるのである。

2年も遅れて大学に入ったタカシは同級生との間にギャツプを感じていた。
話をしていてもどうも合わないのである。子供と話しているような妙な感じだった。
だった。それでも2,3人の友達は出来た.


大学と言うところはただ講義に出るだけでは意味がない。クラブに入って仲間たちと交流するところに意味があるのである。哲人よ来たれと書かれたポスタ―を学生会館で見てタカシは
哲学研究会に向かった。
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