あの時からずっと、君は俺の好きな人。
「ないよ」


私が正直に言うと、あからさまにがっかりしたような表情をする3人。人の恋路で面白がらないでいただきたい。


「なーんだつまんなーい」

「まあ仕方ないよ。水野くん恋愛に関しては子供っぽそうだし」

「男友達と騒いでる方が好きそうなタイプだもんね」


本当につまんなそうな顔をする美結に、水野くんに対しての的確な分析を述べる三上さんと坂下さん。


「まあ詳しい話は夜だよね夜!」

「うんうん!」

「え……? 夜って?」


うきうき言う美結に同じ調子で頷く三上さんに、私は言葉の意味がわからず眉をひそめた。


「もう藍ったらー。修学旅行の夜と言ったら恋バナで夜更かしするに決まってるじゃん!」

「不変の真理だよ、吉崎さん」

「なるほど……確かに」


何が決まってるのかどの辺が不変の真理なのかはよく分からないが、坂下さんが得心のいったような顔をする。
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