あの時からずっと、君は俺の好きな人。
運動神経もそこそこいい美結は、タイムもそれなりによかった気がするし、人選には問題ない。ナイス美結。


「じゃあ1人目は美結……笹川さんです」


私は感謝の意を込めて彼女に向かって微笑む。なんの変哲もなく決まったためか、男子の時よりはまばらな拍手が起こる。


「ーーすいません、あと2人です。誰かいませんか?」


私の問いかけに、女子達はそれとなく目を逸らし、男子達は早く決まれよと面倒そうな顔をした。


「ねー、いないの? あ、加藤さんやってよー」


するとたまたま目が合ったらしい加藤さんを勧誘し出す水野くん。

すると加藤さんは一瞬目を丸くさせたあと、可愛らしく困ったように笑った。


「えー、でも私泳ぐの遅いしぃ」


そして嫌に間延びした高い声で、媚を売るように言った。私は乾いた笑みを浮かべる。

加藤さんはまあ、俗にいうぶりっ子というやつなのだ。

メイクも髪も流行最先端で、仕草や表情まで、男受けを狙って余念が無い。すごいなあと思う。
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