あの時からずっと、君は俺の好きな人。
*
水野くんの家族事情について知った日の、水泳大会の練習後。
私と水野くんは、練習で使ったストップウォッチやらコースロープやらの、用具の片付けをプールの倉庫内で一緒に行っていた。
他のみんなは更衣室で着替えているはずだ。
昨日彼の前で突然泣き出してしまったことや、彼の家庭環境を知ってしまったことで。
どんな顔をして、何を話したらいいのかよくわならなかった。
練習の時は他のみんなもいたから、あんまり会話をせずに済んだけれど、二人っきりになって無言でいるわけにもいかない。
「ストップウォッチ片付けてくれた? さんきゅー」
しかし水着姿の水野くんはいたっていつも通りで。そんなことを言いながら、無邪気に笑う。
「ーーうん。水野くんもコースロープの片付け、ありがとう。重かったでしょ?」
「こんくらい大丈夫。男ですから」
そしておどけた様子で言う。ーー昨日急に追い返しちゃって悪かったけど、気にしてないみたいでよかった。
水野くんの家族事情について知った日の、水泳大会の練習後。
私と水野くんは、練習で使ったストップウォッチやらコースロープやらの、用具の片付けをプールの倉庫内で一緒に行っていた。
他のみんなは更衣室で着替えているはずだ。
昨日彼の前で突然泣き出してしまったことや、彼の家庭環境を知ってしまったことで。
どんな顔をして、何を話したらいいのかよくわならなかった。
練習の時は他のみんなもいたから、あんまり会話をせずに済んだけれど、二人っきりになって無言でいるわけにもいかない。
「ストップウォッチ片付けてくれた? さんきゅー」
しかし水着姿の水野くんはいたっていつも通りで。そんなことを言いながら、無邪気に笑う。
「ーーうん。水野くんもコースロープの片付け、ありがとう。重かったでしょ?」
「こんくらい大丈夫。男ですから」
そしておどけた様子で言う。ーー昨日急に追い返しちゃって悪かったけど、気にしてないみたいでよかった。