セカンド・プライオリティ
「元気になったら一緒に作ろうな、カレー」

ベッドに横たわり寝息を立てる美己の隣に腰を下ろし、そっと彼女の額を撫でた。
こうやってまっすぐに顔を見ながら、美己に触れたことすら久しぶりな気がする。

「…よし」

彼女の目が覚めたら、明日からの予定を聞いてみよう。そして話をしよう。
そう、心の中で決心したときだった。

「…loop？」

着信を知らせるスマホの画面を確認すると、表示されていたのは店の番号で。
滅多にない夜の営業中の店からの呼び出しに怪訝に思いながらもスマホを耳に当てた。

「あ、涼さんですか？すみません、店の電話から」
「あぁ構わないけど、どうしたんだ？」

電話口から聞こえた声は、少し焦った様子の太一の声で。
俺と颯を除いた中では一番勤務歴の長い太一は、年下ながらにとてもしっかりしていて。いつも落ち着いている彼の声色がいつもと少し違った時点で、何か嫌な予感が脳裏を駆け抜けていった。
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