セカンド・プライオリティ
お湯が沸くのを待つ間ソファに腰を下ろすと、壁にかかったカレンダーが目に入った。
白が目立つその中に唯一記された赤い印が、私の視線を引き上げる。

「4年かぁ…」
それは涼くんと付き合ってから4回目を迎える記念日の印。

「ふふ、なんだかんだで全部2年刻みなんだよね」

一緒に住むようになって2年、付き合って4年、そして出会ってから6年。

一緒に過ごす時間は長くなればなるほど、いろんな感情を連れてくるとつくづく思う。
当たり前だけど、いい感情も…時にはそうでない感情も。

どれだけの時が流れても、彼が大切な存在であることに変わりはない。

大切だからこそ、彼の好きを邪魔することだけは絶対にしたくなくて。
涼くんも同じように、私がやりたいと言ったことに反対したことはこれまでに一度もなかった。

私たちはきっと、お互いがいちばんじゃない。
お互いのいちばん大切なものが、お互いにとってのいちばんなのだと思う。
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