好きになってはいけないんだ。


「っつってもなんか上手いこといったらちゃんと皆みたいに生きれるらしいんだけどさ…そんなとこに賭けは出来ねぇじゃん?医者にもあんま期待しない方がいい的なこと言われたしさー。

教室で泣いてたのはさこのまま家帰ったら家で泣いちまうよなぁって。
ただでさえお母さんもお父さんも毎日毎日俺の顔見る度泣きそうな訳よ。
そんなんで俺が泣いたら更に2人とも暗い顔するじゃん?だから教室で泣ききってから帰ろうって考えたわけですよ。

ほら暗い話だったろ?

…って何暗い顔してんだよ。
俺なんてただのクラスメイトだぜ?高校生になったら別の道進んでるかもしれねぇじゃん?そんな気にしないでいいって。
もう俺は全部整理できてるんだからさ。」


早口な瑛人の話を聞き終わった私の顔はどんな顔をしていただろう。
きっと史上最高にブサイクだったと思う。
だってあのクラスでも人気でモテモテの瑛人くんが病気?余命2年?
嘘だよね。でもすすり泣くぐらいだから本当なの?じゃあ本当に瑛人くんが…?

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