君と見つける、恋の思い出
翌朝、俺は起きれなかった。
一日の疲れにプラスして、なかなか寝付けなかったせいもある。
重い頭を抱えながら、ベッドから降りる。
リビングに行き、食卓に置かれたサランラップをかけられた皿の上にあった、手紙を読む。
『疲れてたみたいなので、起こさなかったよ
頑張ってサンドウィッチ作ったんだ
自信作だから、ちゃんと食べてね!』
……早く行きたかったのに。
食べなかったら食べなかったで、面倒なことになりそうだ。
俺は母さんが作ったサンドウィッチを食べきり、食器を洗った。
そうしたからか、俺は妙に落ち着いていた。
部屋に戻って服を着替え、昨日現像した写真を持って家を出た。
もし、母さんがサンドウィッチをああやって置いてなかったら、慌てて着替えて、写真も忘れて家を出ていただろう。
味は正直普通だったが、あってよかった。
俺は慣れた道を歩いて叶花のところに向かった。