君と見つける、恋の思い出
到着したら、こっこはもう来ていて、叶花に話しかけていた。
俺も、と思って足を踏み出そうとすると、誰かに肩を掴まれた。
「驚かさないでくださいよ、理香子さん」
そう言うと、理香子さんは手を離してくれた。
「……ごめん」
そこまで責めたつもりはなかったが……
「あの、蓮くんに話があって……」
「わかりました。ここじゃ出来ない話、なんですよね?」
理香子さんは小さく頷いた。
俺たちは人が少ない休憩場所にあるソファーに座った。
着いて数分は、沈黙が流れた。
それだけ言い難いことだ、というのはどこか感じていたから、俺は理香子さんが話そうと思えるタイミングを待った。
「……叶花ちゃんが結斗と喧嘩したのは、知ってるよね?」
やっと口を開いてくれたと思ったら、そんな質問で、思わず拍子抜けしてしまった。
「知ってますけど……」
「不思議に思わなかった?」