君と見つける、恋の思い出


そもそも、誰が、いつ、お前の友達になった。



俺はあいつの手から逃げ、足を進める。



「おーい、蓮くーん。イケメンで人気な浅賀くーん。聞いてますかー?」



無視して歩いていたらこれだよ。



……こいつと叶花は、絶対に会わせたくないな。



「なあ蓮、マジで」


「用があるって言ってるだろ。お前のほうこそ聞こえてるのか」



俺はまた肩に置かれた手を払い、睨んだ。



「……悪い。写真撮るくらい暇なのかと」



好きでやってるわけじゃない。



なんて言ったら、写真を撮る理由を聞かれるんだろ。



……なんでもいいから、放っておいてくれ。



「でも蓮、俺マジで困ってんの」



知るか。


自分でどうにかしろ。



「数学が終わんなくてさー」



本当に、自分でどうにかしろ。



「もう頼れるのは蓮しかいないんだよー」



嘘をつくな。



こいつは一年のとき同じクラスだったが、大抵クラスの中心にいた。



そんなやつが、俺しか頼るやつがいないなんてことは、ありえない。
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