君と見つける、恋の思い出


なんだ、怒らないのか。



……いや違うな、叶花の性格を知っているから怒っても無駄だと踏んでいるんだろう。



あいつのことを知っていれば、これくらいのことで怒っていたら身が持たない。



「あ! 芽生ちゃんもう来てたの!? 早いよー」



すると、叶花が勢いよくドアを開けて戻ってきた。



「櫻木さん、朝の検診が終わるまで病室から出ないようにしてもらえますか」



……本当に出来る人みたいだ。



叶花とは絶対に合わないタイプだな。



「芽生ちゃん……もう少しリラックスしよう? ほら、ニコーってしてみて?」



叶花は思いっきり口角を上げ、人差し指を自分の頬に当てた。


杉崎さんの顔は見えないが、叶花と真逆の顔をしてるんだと思う。



「芽生ちゃん、笑顔って大事なんだよ?」


「どうでもいいので、仕事をさせてください」



杉崎さんの勝ち。



叶花は諦めてベッドに戻った。



そして、俺は叶花と入れ違うように、部屋を出た。
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