君と見つける、恋の思い出


ただ真面目なだけかと思ったが、どうやら違うらしい。



そして彼女は俺の視線から逃げるように、どこかに行ってしまった。



「朝から賑やかだなあ」



すると、須藤さんが子供の一人の頭に手を置いた。



「椿ちゃん、おはよう」


「おはよう、カナ。それ、K高校の制服?」


「そうなの! 似合う?」



叶花はすっと立ち上がり、その場で一周した。



どれが子供かわからないな。



須藤さんは叶花の頭を撫でた。



「似合ってるよ」


「これでリボンとかあったら可愛いのになあ」



叶花はそう言って首元に手を当てた。



K高校の女子の制服は、ブレザータイプだ。


紺色のスカートと上着。


中は白のシャツ。



誰が見ても地味な制服。



どこで聞いたかは忘れたが、K高校が創立されてから五十年くらい、変わってないらしい。



一応伝統ある制服ということになるが、今の女子生徒からしてみれば、地味でしかないだろう。



「カナちゃん、学校行くの?」


「カナちゃん、いなくなる?」



学校に行くことがいなくなることだと考えるあたり、入院患者らしいと思ってしまう。
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