君と見つける、恋の思い出


考えた結果の質問が、それか。


こういうとき出てくるのはだいたい、一番聞きたいことだと思う。



……いいのか、俺の写真についてで。



まあ、彼女がそう聞いてきたのだから、素直に答えればいいだけ。



「……たまに」



というか、叶花に頼まれたときだけ。



好きで撮ってるわけじゃないし。



「そうなんだ……それって、あの子のため?」



あの子ってのは、叶花のことだろう。



間違ってはいないが……


話が飛躍しすぎてて、追いつかない。



どうしてそうなった?



「あの子が浅賀くんに写真を撮ってって頼んでから、浅賀くんはカメラを持った。だから、そうかなって思ったんだけど……違った?」



なるほど、そこから見ていたのか。



「合ってるよ」


「あの子、浅賀くんの彼女……?」



今度こそ、本当に理解できない。



そもそも、どうしてみんな恋愛方向に持っていこうとする。



面倒でしかないのに。



だが、否定しないでいるというのも、たぶんよくない。


叶花の耳に入ったら、余計面倒になりそうだ。



「違うよ」



すると、彼女は緊張が解けたような顔をした。



……なにがしたいんだ。



「もういい?」
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