ねえ、きみがすき
【みんな俺と同じように変装してるし、地味キャラ?だし、名前も本名だから】
…普通の人になら聞き取れない声のボリュームても、シオンには口の動きで分かっちゃうんだね。
これってなんか隠し事ができなさそうな気が…
「みんな転入してきたの?」
【いや、ハヤトとリュウは元々1つ上の学年にいたし、シンは今年入学してたから転入してきたのは俺だけ】
「そっか…」
みんな普通に通ってたんだ…びっくり。
【俺まだピアノ弾いていくけど…きみはどうする?】
軽く首を傾げるシオンは何だか可愛く見えて。
「聴いててもいい?」
そう問うと、彼は何も反応はしなかったけど、再び鍵盤に指を置いた。
…やっぱりシオンのピアノが一番好きだなあ。
何ていうか、すごく落ち着く。