ねえ、きみがすき



【みんな俺と同じように変装してるし、地味キャラ?だし、名前も本名だから】



…普通の人になら聞き取れない声のボリュームても、シオンには口の動きで分かっちゃうんだね。



これってなんか隠し事ができなさそうな気が…



「みんな転入してきたの?」



【いや、ハヤトとリュウは元々1つ上の学年にいたし、シンは今年入学してたから転入してきたのは俺だけ】



「そっか…」



みんな普通に通ってたんだ…びっくり。



【俺まだピアノ弾いていくけど…きみはどうする?】



軽く首を傾げるシオンは何だか可愛く見えて。



「聴いててもいい?」



そう問うと、彼は何も反応はしなかったけど、再び鍵盤に指を置いた。



…やっぱりシオンのピアノが一番好きだなあ。



何ていうか、すごく落ち着く。



< 27 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop