冷たい幼なじみが好きなんです


「わあ~!!かわいいっ!!」


ラッピングを開けると、中に入っていたのは水色のシュシュとピンクの薄付きリップだった。


「笑ちゃんに似合うと思ったんだ~!」


「優香、ほんとにありがとう!!大切にするねっ!!」


シュシュもリップも、女子力高めで、さすが優香!!と思った。


「笑、言っとくけどな、ケーキ買ってきたのは俺だからな~!」


ケーキを食べ終えた竜が付け足すようにそう言った。


「あは!竜もありがとねっ!!すごいおいしかった!!」


優香と竜のおかげで、すごく幸せな17歳の誕生日となった。


わたしはそれからさっそく優香がくれたシュシュで髪をひとつにしばり、ピンクの薄付きリップを唇に塗った。


なんだかテンションがあがり、午後の授業も気分がよくて、普段より真面目に受けることができた。


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真面目に受けていると苦手な数学と英語の授業もあっという間に終わって、放課後となった。


うしろのロッカーで教科書を片付けていると、「笑」と小さめの声で名前を呼ばれ、顔を横に向けると、こっそり、というように竜がやってきていた。

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