冷たい幼なじみが好きなんです


「優香、竜~!行こ~!!」


今日は、この間約束していた、優香と竜と3人でカラオケに行く日。


カラオケに行くことだけを楽しみに今日の授業も頑張った。


そして待ちに待った放課後。


わたしたちは街のカラオケボックスへとやってきた。


竜がここのカラオケボックスの会員証を提示して、必要事項を記入している。


わたしと優香も学生割りのために学生証を提示する。


わたしは財布に入れているため、カバンから取り出そうとした、そのとき。


「笑ちゃん、桂木くん、ごめん…っ!!」


優香が申し訳なさそうな表情を浮かべてわたしたちに謝ってきた。
そんな優香の手には、学生証ではなく、携帯。


「どうしたの?」


いきなり謝るだなんて、なにがあったのかな。


「お母さんが弟のお迎え行けないから、わたしに行ってってメールが来て…!!」


優香には年の離れた保育園に通う弟がいる。

基本的には優香のお母さんがお迎えに行くのだけれど、お母さんが行けない日は、優香が行っているのだと前にも言っていた。

どうやらたった今、そのメールが届いたようだ。

ということは、優香は今から保育園に弟くんを迎えに行かなければならない。

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