イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
「穂香、少し酔ってる?」
「ん……多分」
豪華な食事とともに飲んだのは日本酒。普段飲み慣れていないせいか、すぐにフワフワとした気分になってしまい、寝室に引かれた布団の上に転がった。
体を横たえて思い返すのは、楽しかった今日一日の出来事。たった一泊の短い旅行だけど、とても素敵な思い出になりそうだ。
「穂香、大丈夫か? 水でも飲むか?」
私の顔を覗き込む朝陽の浴衣からチラリと覗き見えるのは、はだけた胸もとと、乾ききっていない毛先……。
男の色気がダダ漏れしている朝陽を目の前にしたら、口が勝手に動いてしまった。
「お水じゃなくて、朝陽がほしい……」
酔った私を心配してくれた朝陽をよそに本能のまま思いを伝えれば、彼の瞳が左右に揺れた。
「そんなかわいいこと言われたら、手加減できなくなるけど……」
自分から朝陽を求めたのは、今日が初めて。朝陽が戸惑うのは当然だ。
「いいよ。朝陽の好きにして」
普段は恥ずかしくて言えないことも、日本酒のせいにしてしまえばいい。
横たえていた体を起こすと、朝陽の首に両手を回して唇を重ねた。
きっと明日は、私も朝陽も寝不足だ。