お嬢様は恋をしません。
そのあとは、学校まで莉緒と話しながら向かった。



湊音は後ろでポッケに手を突っ込んで、ぼーっと周りを見ていた。




「誰かと同じクラスになれるかな〜?」



「なれるといいね」



「うん。できれば奏多と一緒がいいな〜」




そんなことを言いながら混み合う掲示板の近くまで行く。



「俺見てくるねー。莉緒よろしくー」



「へいよ」




湊音は人ごみをすり抜けて、前にどんどん進んでいく。



数分後、フラフラと帰ってきた。




「俺と莉緒は3組だった。奏多は4組」



「そっか〜、残念」




そう言いながら、莉緒は下駄箱に向かって歩いていく。




莉緒の後ろを歩くと、湊音が俺の横に並ぶ。




「校内では、基本安全だから。



莉緒、ああ見えても護身術はちゃんと身につけてあるし、その辺の男よりは強いから大丈夫」



「そうなんだ。じゃあ校内は警護なし?」
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