お嬢様は恋をしません。
「いや、俺がクラス一緒だから俺が見てるね。



奏多は登下校よろしく。



俺部活入ってるからたまにしか一緒に歩けないんだよ」




「ふーん。りょーかい」



そう言ってるうちに、教室に着いた。



「湊音、よろしく」



「うん。よろしくされた」




そう言って、湊音はにっこり王子様スマイルを俺に向けた。



元があれだけイケメンだと、様になるな。




俺は4組に入って、席を確認した。



あ、1番後ろじゃん。



ラッキー。



1番後ろの席に座る。




ふと、顔を上げてクラスの奴らを見ると、えっ、みたいな顔をしている。



な、なんだ…?



すると、去年から同じクラスの山森時雨が俺の前の席にこちらを向いて座った。




「…お前、髪黒くしたの?」



「あ、これか」




それはみんな見るか。



金髪で毛先ピンクだったから、異様な目立ち方してたもんなぁ。
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