お嬢様は恋をしません。
時雨がため息をつくなんて、なんかあったのだろうか。



なんか不安なことでも?




「…奏多」



「ん?」



「…ちょっと聞くけど、去年何人に告白された?」




「んーっと…」




何人だったかなぁ…。




入学してすぐは3人くらいだったかな…。




あ、でも体育祭は6人ぐらい来たっけ…?




文化祭は告白大会あったからもう少しいたかな?




あー、クリスマスとバレンタインも多かったかもしれない…。




「30人くらい?」



「…タラシだ」




時雨ははぁとため息をついた。




「…お前に落とされる女どもが可哀想、って言ってんの」



「ん?落としてるつもりはないよ?」



「…だからタチわりーんだよ」




気怠げにため息をついて、俺を見つめる時雨。




「時雨だって告白されまくってるでしょ」



「…お前と一緒にするな。…桁が違う。


…去年は7人くらい」
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