白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「想像させてんじゃねーよ」
「……へ?」
「俺以外の男に、なんで芙美のあられもない姿を想像されないといけないんだ?不快過ぎる」
大真面目な顔をして話す椿社長に、なんだか緊張も解けていく。
「あ、あられもないって、だって他に答えようが」
「普通に言えばいいだろ」
「普通に?」
「セックス、最後にしたのいつ?」
指先を絡めながら聞かれた質問に、ドキッとする。
昨日は不快だったのに、今は全然不快じゃないのは、相手が椿社長だからだ。
「そんなの、知ってるでしょう?」
「芙美の口から聞きたい。誰といつした?」
「……」
不機嫌だと思っていた顔が、今は意地の悪い顔をしている。
私の答えを楽しみに待つ、悪魔みたいな微笑み。
「どうした?答えないのか?」
でもそれに逆らえないから腹が立つ。
「先週の月曜日に、椿社長としました!」
不貞腐れた子供のように、答えてすぐに顔を背けた。
「椿社長じゃなくて、ちゃんと名前を言えよ」
「それは、」