白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「誰といつ何したかちゃんと言え」
「ちゃんとって、だから……」
口にすることを躊躇えば、「芙美」と優しく名前を呼ばれる。
本当にずるい。
私の扱い方を、すでに知りつくしている。
「王子と先週の月曜日にセックスした」
耳まで熱い。
心臓がバカになりそう。
これっていったい何プレイ?
そう思ったまた睨めば、ふっと息を吐いて笑われた。
それから唇が近づいて優しく触れる。
「その夜の情事は気持ち良かった?」
「そんなことは聞かれていません」
「いいから答えろよ」
「んんっ」
今度は深く絡み合うようなキスをされて、私は小さな声で答えを口にする。
「何?聞こえない?」
絶対に聞こえているくせに、楽しそうに催促する椿社長は、本当に本当にずるくて困る。
「もう!王子とのセックスが気持ち良かったの!」
自棄になって叫んだ私に、今度は声を出して笑いながら、「知ってる」と椿社長は口にした。