白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「今度聞かれたら、そうやって説明しろ」
「絶対に無理です」
「あとなんだっけ?感じる場所?」
楽しい玩具を見つけたような……いや、面白い獲物を見つけたような笑みを浮かべた男の言葉に、嫌な予感しかしないわけで。「忘れました」と答えれば、構うことなくブラのホックを外された。
背中に触れた指先の冷たさに、身体の奥がぞくりと粟立つ。
「電気、消してください」
「たまには明るいのもいいと思うけど?」
そう言いながらも、私の希望通りに照明を落としてくれた後で、無駄なものなど1ミリもないような男の裸体が目の前で露わになる。
急いで視線を逸らせば、首筋にキスが落ちてくる。
「芙美が忘れたことも、俺は覚えているから安心しろ」
「どういう意味ですか?」
「感じる場所も、気持ち良い時の声も、好きな体位も……お前のことなら忘れない」
「ひゃっ、待って、王子」
大きな手が胸の膨らみを包み、その先端に真っ赤な舌が触れる。壊れそうな熱が、身体中を駆け巡る。
それを拒むように身を捩らせながらも、はしたない声を上げる私は、蜘蛛の巣にかかった獲物と同じだ。
いつの間にかスカートは脱がされて、ストッキングが右の足首に絡まっている。