白馬の悪魔さま 【完】番外編追加

「今度聞かれたら、そうやって説明しろ」

「絶対に無理です」

「あとなんだっけ?感じる場所?」

楽しい玩具を見つけたような……いや、面白い獲物を見つけたような笑みを浮かべた男の言葉に、嫌な予感しかしないわけで。「忘れました」と答えれば、構うことなくブラのホックを外された。
背中に触れた指先の冷たさに、身体の奥がぞくりと粟立つ。

「電気、消してください」

「たまには明るいのもいいと思うけど?」

そう言いながらも、私の希望通りに照明を落としてくれた後で、無駄なものなど1ミリもないような男の裸体が目の前で露わになる。
急いで視線を逸らせば、首筋にキスが落ちてくる。

「芙美が忘れたことも、俺は覚えているから安心しろ」

「どういう意味ですか?」

「感じる場所も、気持ち良い時の声も、好きな体位も……お前のことなら忘れない」

「ひゃっ、待って、王子」

大きな手が胸の膨らみを包み、その先端に真っ赤な舌が触れる。壊れそうな熱が、身体中を駆け巡る。
それを拒むように身を捩らせながらも、はしたない声を上げる私は、蜘蛛の巣にかかった獲物と同じだ。
いつの間にかスカートは脱がされて、ストッキングが右の足首に絡まっている。


< 180 / 186 >

この作品をシェア

pagetop