白馬の悪魔さま 【完】番外編追加
「そんなに俺のベッドがお気に入り?」
身体を起こして、急いで服を整える私に、王子がご機嫌そうに聞いてくる。
「ふかふかで、私の部屋の何倍も気持ち良いです」
ベッドに限らず、椿社長の部屋に居ると、さすが高級品なだけあると感心することばかりだ。
「その理由、いいね」
大きな手が、優しく髪に触れる。
「バカにしてます?」
また揶揄われたのかと思い睨むと、予想外に甘い眼差しを向けられた。
「そうじゃなくて」
「椿社長?」
「二人で一緒に住もうか?」
「……え、一緒にって」
待って。私は今、何を聞かれた?
一緒に住むって、私の聞き間違い?
だけど、戸惑う私を構うことなく、椿王子は話を続ける。
「あの部屋なら二人で暮らすのにも充分だし、芙美の会社に通うのも不便じゃないだろ?だったら一緒に暮らして、毎日ふかふかのベッドで寝るのも悪くないと思うけど?」
言われた言葉の意味を理解しようとしたら、頭がショートしたように熱くなった。
「また赤くなった」