今夜、夫婦になります~俺様ドクターと極上な政略結婚~


ハシゴを上がってみると、確かに埃の塊が多く枠の上に積もっていた。

これでは換気のために上の窓を開けたら、逆に埃が舞って空気が悪くなる。

一度ハシゴから降りて、運んできた作業用の荷物の中から専用のハンディクリーナーを取り出す。


「沙帆先輩、この間の話って、その後進展あったんですか?」


荷物を漁っていた沙帆に、窓の清掃を始めた花梨が声をかける。

人の往来も少ないから話しかけてきたようだ。

この間の話――それは、ホテルでプールに落ちたあの日のことだ。

連絡をくれた花梨と合流をし、沙帆は突然立ち去ってしまった理由と、その後にプールに転落し、見ず知らずの男性に助けていただいた一連の話をした。

会えないと約束を断った彼氏が別の女性といたことにも、沙帆がプールに落ちたことにも、花梨は終始驚かされていた。

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