からめる小指  ~愛し合う思い~
千尋??

千尋……………………!!

直ぐに隣のドアを回すが、ガチャガチャと音をたてるだけだった。

外は9時をまわった今は、真っ暗だ。

鍵をかけ飛び出す。

ごめん。





人間………悪い方に思い込むとキリがない。

よくよく思い返してみると………クリスマスの二の舞だ。

バイトを頑張ったのは、高校生には高価なプレゼントを買うため。

週末に姉ちゃんと買い物に行ったのは、プレゼントを買いに。

おまけに水曜日と指定された今日は…………バレンタイン。

去年、チョコを貰えないと宣言した俺と樹の元には

生徒からのチョコは、一つも届かなかった。

だから………頭から抜け落ちていた。

せめてバレンタインと気づいていれば…………笑顔で千尋の訪問を待つことが出来た。

失敗した。

『好きです』と、一年ぶりに告白してくれた彼女に

別れを切り出される前にと…………

自分から別れを告げてしまった。
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