桜の舞い散る頃
なんとか奈桜ちゃんを宥めて、私も仕事に戻る。はぁ~、週末までこの誘いをなんとかして逃げきらないと。あれから何度か奈桜ちゃんから頼み込まれたけど、必死に断り続けた。奈桜ちゃんには申し訳ないけど、せっかくの週末を苦手な合コンで過ごしたくはない。
「はぁ~。」
やっと終わった金曜日のエレベーターの中で、思わず大きく息を吐く。今日の奈桜ちゃんからの攻撃は凄かったな~。いや~、参っちゃうわよ。
ポン。と音がして1階に止まる。カバンを持ち直して出口へ向かう。ロビーを通り過ぎようとした時、打ち合わせスペースに目が止まった。男性が一人ソファーにもたれるように座っていた。私は足早に彼の方へと足を進めた。
「立花室長、どうされましたか?」
彼はうちの課の室長、立花聡史(さとし)さん。背が高く、短く揃えた髪に涼しげな目が社内でも人気があるイケメンさんだ。
「ああ、高梨君か。帰社したらちょっと眩暈がしてね。少し落ち着くまでここで休んでいようと思ってね。」
口元に笑みを浮かべて答える。額には汗が浮かんでいた。
「室長、ちょっと失礼します。」
私は室長の首筋に手のひらを当てた。あー、熱があるよ。どうしようかな。
「室長、本日の予定は直帰でしたでしょうか?」
「ああ、今日は客先からの直帰だったな。」
「はぁ~。」
やっと終わった金曜日のエレベーターの中で、思わず大きく息を吐く。今日の奈桜ちゃんからの攻撃は凄かったな~。いや~、参っちゃうわよ。
ポン。と音がして1階に止まる。カバンを持ち直して出口へ向かう。ロビーを通り過ぎようとした時、打ち合わせスペースに目が止まった。男性が一人ソファーにもたれるように座っていた。私は足早に彼の方へと足を進めた。
「立花室長、どうされましたか?」
彼はうちの課の室長、立花聡史(さとし)さん。背が高く、短く揃えた髪に涼しげな目が社内でも人気があるイケメンさんだ。
「ああ、高梨君か。帰社したらちょっと眩暈がしてね。少し落ち着くまでここで休んでいようと思ってね。」
口元に笑みを浮かべて答える。額には汗が浮かんでいた。
「室長、ちょっと失礼します。」
私は室長の首筋に手のひらを当てた。あー、熱があるよ。どうしようかな。
「室長、本日の予定は直帰でしたでしょうか?」
「ああ、今日は客先からの直帰だったな。」