ハイド・アンド・シーク
申し訳ないけど、酔った勢いでおかしなことになるよりはさっさと終わらせてしまいたい気持ちで彼に畳みかける。
「いっつもその人のことばかり考えてしまって、なんとかしなきゃって思ってるんです」
「そっかー……、なんとかうまくアプローチして付き合えるといいね」
……なんだかんだ、越智さんって優しいな。
酔っ払っていてもちゃんと励ます言葉をかけてくれるのってすごい。
「頑張ります!あっ、飲み物が無くなっちゃったので注文してきます。ありがとうございました!」
サクッとお礼を告げて、足早にその場を離れた。
視界の隅で越智さんが残りのお酒を一気飲みしているのが見えたけれど、一直線で茜たちの元へ。
茜とカゲちゃんは戦場から帰還した私を温かく迎え入れてくれた。
「お疲れ、菜緒。飲み直そう」
「お疲れ様でしたー森村さん!次、なに飲みますか?」
「………………烏龍茶」
疲れたし、もうお酒は飲みたくない。
私は弱々しく烏龍茶を注文した。