焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「これで夢じゃないって信じてもらえた……?」

この前のお返しができて満足する私に、織田くんは不服顔。

「いや、まだ信じられない。だからもっと夢じゃないって信じさせて」
「――え」

後頭部に腕が伸びてきて、一瞬にして奪われた唇。

目の前に彼の中性的な顔があって目を剥く。なにが起きたのかわからなくて瞬きもできない。

けれど角度を変えて何度も落とされる甘いキスに、じわじわと実感させられていく。
私、織田くんとキスしているんだって。

どれくらいの時間、唇を重ねていただろうか。ゆっくりと離れていった時には私の息は上がっていた。

でもまだ彼の顔は目と鼻の先にあって、それが余計にドキドキさせられる。

次の瞬間、織田くんはまるで少年のように目尻に皺をたくさん作って笑った。

「夢じゃないってやっと信じられたよ」

「それはっ……よかったです」
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