焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
頭を悩ませながら歩を進めていると見えてきた、海上自衛隊基地の近くにある宿舎。

既婚者向けの住居で三棟あり、百世帯近くが暮らしていてほぼ満室。敷地内には公園があり、住民のちょっとした憩いの場となっている。

一般のマンションやアパートとは違い、暮らしていく上で少々大変なこともある。

それぞれ順番に色々な係が回ってきて、その対応に当たらないといけないから。

それなりに付き合いもあるし、なかなか家でも気が抜けないけど、それを覚悟の上で結婚したんだもの。大丈夫、なんだってどんとこいだ。

それはまぁ、明後日からの新婚旅行を楽しみに、多少の面倒事は乗り越えてこられたのかもしれないけど。

とにかく嫌なことは忘れて、今は明後日からの新婚旅行を楽しむべきだよね。明日から仕事は休みもらっているし、帰ったら蒼が帰ってくる前にご飯の用意をして、旅行の準備も進めないと。

敷地内に入り、私たちが暮らす棟が近づいてきて、進むスピードも速くなる中、視界に入った光景にそのスピードは格段に落ちる。
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