焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「あら、そうだったんですね! 織田さんが羨ましいわー」

「本当、うちの主人も見習ってもらわないと」

「織田さん、またね」

笑顔で見送られ、戸惑いながらも「失礼します」と言い、彼の元へ駈け寄ると、蒼は私が手にしていたバッグや荷物を持ってくれた。

「行こう」

「あ、うん」

そしてナチュラルに腰に腕を回されると、奥様方は歓声を上げる。恥ずかしくなりながら「おやすみなさい」と挨拶をして、早々と部屋に飛び込んだ。

「もう、蒼ってば。助けてくれたのは感謝しているけど腰に手を回すのはやりすぎ!」

ドアを閉めると同時に抗議をすると、彼はクスリと笑って先に家に入っていく。

「いいだろ? 新婚なんだから仲睦ましいところをアピールしておいて損はないだろ? 色々な噂を流されたら困るし。ただでなくとも俺はあまり家にいないんだから」

「それはそうだけど……」

私も彼の後を追ってリビングへ向かう。

とにかく干渉が酷い。ちょっとしたことで噂になると仲良くしている人に聞いた時は、ちょっとゾッとしたほど。

だけど郷に入っては郷に従えと言うし、慣れるしかないんだよね。
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