焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「え……蒼?」

驚き彼の名前を口にすると、蒼は小さく息を吐いた。

「勘弁してよ、運転中に可愛いこと言うの。事故を起こしたらどうしてくれるつもり?」

可愛いことって……えっ!? 私は決してそんなことを言ったつもりはない。だけどつられるように私もまた顔が熱くなる。

狭い車内でふたりして照れて気まずくなるものの、次第にそれが可笑しく思えて声を上げて笑ってしまった。

「なにやっているんだろうな、俺たち」

「本当だよ」

信号は赤に変わり、顔を見合わせて笑い合う。

それから申し込んでいたツアー会社に着くと、インストラクターから説明を受けてシュノーケリング方法を学び、ウエットスーツに着替えてダイビングスポットへ向かう。

そうだよね、水着着用って言われていたけど、水着のまま潜るわけないよね。だったら気合い入れて新調しなくてもよかった。ウエットスーツを着るなら、それこそみどりオススメのビキニでもよかったんだ。

インストラクターが運転する車で向かう中、がっくり肩を落としてしまう。

すると心配した蒼がそっと声を掛けてきた。
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