焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「来てよかったな」

「うん、すごくきれいだった」

戻る途中も蒼と興奮冷めやらず、話をしながら泳いでいく。だけど次の瞬間、足がつり激痛がはしる。

「痛っ」

「杏? 大丈夫か!?」

泳げなくなったものの、すぐに蒼が私の身体を支えてくれて溺れずに済んだ。

「ごめっ……足、つっちゃって……」

どうしよう、まだ海岸までかなり距離があるのに。

「大丈夫ですか!?」

「すみません、妻の足がつってしまったようで」

前を進んでいたインストラクターに説明をする蒼。

「大変! 待っててください、今レスキューを……!」

「その必要はありません」

助けを呼びにいこうとしたインストラクターを止め、彼は自分と私が装着していたスノーケルマスクを外し、インストラクターに預けた。

「僕が運びますので、これだけお願いしてもいいですが。泳ぎづらいので」

「は、はい」

驚くインストラクターを残し、蒼は私を抱き抱えたまま海岸に向かって泳いでいく。

「大丈夫か? 杏。あと少しだから」

途中で何度も私のことを気にかけてくれながら。
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