焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
そしてあっという間に海岸に着くと、彼は私を抱いて百段近くある階段を軽々と駆け上がっていく。

そしてベンチに私を座らせると、蒼は私の足を伸ばしていく。痛みは治まってきたけれど、申し訳なくなる。

「ごめんね、蒼……迷惑かけちゃって。それに大変だったでしょ?」

あの長い距離を私を連れて泳いで、ここまで連れてきてくれたのだから。
だけど蒼は首を横に振る。

「迷惑だなんて思うわけないだろ? むしろこういう時、毎日身体を鍛えていてよかったと思うよ。自分の手で杏を助けることができるのだから」

「蒼……」

どうしよう、蒼の気持ちが嬉しくて泣きそうになる。

「それに妻のピンチを助けるのは、夫の役目だろ?」

私を見上げて言う蒼に胸がギューッと締めつけられる。

「もう、そんなこと言って……」

なんて言いながら、内心は胸が苦しくなるほど嬉しくてたまらない。

蒼と結婚して本当によかった。心からそう思った。
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