焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
電車内で「ちょっと早く来すぎちゃったかもね」なんて話していたけれど、とんでもない。

改札口を抜けると、そこには私たちと同じ方向へ向かう人がたくさんいた。

「これは本当に混みそうだね」

「……うん」

そんな会話をしながら、海上自衛隊横須賀基地の正門前に着くと、すでに会場入りを待つ長い列が出来ていた。

「おぉ、これはまた入るのに時間かかりそう」

「そうだね……」

だけど意外と列は流れていき、横須賀地方総監部の門の前までたどり着いた。

そこでは手荷物検査が行われていて、私とみどりもバッグを開けて準備して待機する。

するとみどりはジーッと私を見ながら言った。

「杏ってば今日、ちょっと控えめじゃない? もっとオシャレしてくればよかったのに」

「いや、ほらけっこう歩くだろうし、なにより織田くんは仕事をしているわけだし……」

今日の私の服装はゆったり着られるホワイトのプルオーバーと、膝下まであるジーンズにスニーカー。そしてリュックというラフな服装。
< 84 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop