ONE〜想いは一つ〜
広樹さんが立ち去ってから私は医局に戻るか迷った。
「どうしたらいいの」
「お姉ちゃん…どうしたの?」
「ん?」
いきなり声をかけられ、びっくりした私は声がした方を振り返った。
すぐ後ろには、この前の事故で私が応急処置をした、岡本花音ちゃんが車椅子に乗って私を見上げていた。
一命を取り留めた彼女は、順調に回復し、私が東和に入るまでに一般病棟に移っていた。
「花音ちゃん!外に出られるようになったのね?よかった」
「うん、まだ歩けないけど、先生から少しだけなら、ってお許しもらったの。なんかあったの?泣きそう?」
子供は敏感だ。隠していても何かを感じ取っていた。
まだ包帯の取れない手足に、痛々しさが残る花音ちゃんだったが、私の手を取った。顔を見ると、後ろで付き添いの看護師が頭を下げた。
私は頭を下げて、花音ちゃんに目線を合わせ、その場にしゃがんだ。
「よかったね。早く歩けるようになれるといいね。先生大丈夫よ。花音ちゃんの顔見てたら元気になったよ。また病室覗くね」
「うん!じゃ、ばいばーい」
そう言うと、花音ちゃんは看護師に連れられて病棟に戻って行った。
手を振りながら、花音ちゃんの笑顔を見ていて、私は忘れていたものを思い出した。
なぜ医者になったのか、復帰しようと思ったのか。
「そうよね。どこでやっても同じ…」
私は、2人がまだいるであろう、医局に戻った。
「どうしたらいいの」
「お姉ちゃん…どうしたの?」
「ん?」
いきなり声をかけられ、びっくりした私は声がした方を振り返った。
すぐ後ろには、この前の事故で私が応急処置をした、岡本花音ちゃんが車椅子に乗って私を見上げていた。
一命を取り留めた彼女は、順調に回復し、私が東和に入るまでに一般病棟に移っていた。
「花音ちゃん!外に出られるようになったのね?よかった」
「うん、まだ歩けないけど、先生から少しだけなら、ってお許しもらったの。なんかあったの?泣きそう?」
子供は敏感だ。隠していても何かを感じ取っていた。
まだ包帯の取れない手足に、痛々しさが残る花音ちゃんだったが、私の手を取った。顔を見ると、後ろで付き添いの看護師が頭を下げた。
私は頭を下げて、花音ちゃんに目線を合わせ、その場にしゃがんだ。
「よかったね。早く歩けるようになれるといいね。先生大丈夫よ。花音ちゃんの顔見てたら元気になったよ。また病室覗くね」
「うん!じゃ、ばいばーい」
そう言うと、花音ちゃんは看護師に連れられて病棟に戻って行った。
手を振りながら、花音ちゃんの笑顔を見ていて、私は忘れていたものを思い出した。
なぜ医者になったのか、復帰しようと思ったのか。
「そうよね。どこでやっても同じ…」
私は、2人がまだいるであろう、医局に戻った。
