イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
「そんな毎日が続けばいいと思ってた。なのに、彼女は何も言わずに王宮へと行ってしまった。僕は、裏切られたと思ったんだ」
「そんなことは……!」
口を挟みかけたアディを、テオが止める。黙ったアディを見つめて、またウィンは話し始めた。
「首尾よくテオを殺すことができたら、僕の正妻になれる、という条件だったんだそうだ。王太子妃となれば、テオを殺すことなど簡単にできるだろうし、そうなったら次に王太子となった僕と再婚できるから、と、言いくるめられたらしい」
王太子が亡くなればもちろんその王太子妃も廃嫡となるが、次の王太子が望めばその妃との再婚は可能だ。
「そんなことは……!」
口を挟みかけたアディを、テオが止める。黙ったアディを見つめて、またウィンは話し始めた。
「首尾よくテオを殺すことができたら、僕の正妻になれる、という条件だったんだそうだ。王太子妃となれば、テオを殺すことなど簡単にできるだろうし、そうなったら次に王太子となった僕と再婚できるから、と、言いくるめられたらしい」
王太子が亡くなればもちろんその王太子妃も廃嫡となるが、次の王太子が望めばその妃との再婚は可能だ。