エレディンの乙女と青龍の守護者
「そこの者。」

石の廊下を歩いていた。

見えていた灯りは松明だった。
吹きさらしだった外から石の廊下へ着くと
そこは巨大な建物の渡り廊下のようだった。


「、、子供?」
突然声を掛けられ、びくっとしたが、
どこか響のいい声に足が止まった。
「まだ幼いではないか!道に迷ったのか?」
すとん、と胸の奥の方に、身体の芯とでもいうのか、そこへすとん、と落ちてくるような声だった。

声のした方に振り返ると、灯りが見えた。
松明を持ち、頑丈そうな足元が照らし出されている。顔は見えない。

「こんな幼な子が!
こんな時間に、ここで何をしている?
誰かに連れてこられたのか?」
別の声が怪訝そうに言った。

『そうだ、やはり私は今、子供の姿をしているのね。』
答えられずにいると、
「カミユ、それでは怯えてしまうではないか。」
「ですが、、」

灯りがゆっくりと近づいてくる。
「安心おし。もう大丈夫だ。」

「ですがどこの者かわかりません、
お近づきにならないほうがー、、」

「恐くはない、さぁ、こちらへおいで。」
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