エレディンの乙女と青龍の守護者
「こんな寒空に、見たところ年端もいかない幼な子だ。保護してやるのがよかろう。」
揺れる灯りとともに男が屈み込む。
何の香だろうか、いい香りが鼻を掠めた。

もうひとりの男も慌てて同じように屈み込み、辺りをうかがう。


松明の灯りで落ちた影で、男の顔は見えないが、男からは幼な子のことがはっきりとよく見えた。


栗色の大きな瞳に、幼な子の艶のある肩までの髪は濃い茶のようだ。柔らかそうな肌は大切に育てられているからだろうと思われる。
「カミユ、どこか大臣らにこんな幼い娘がいただろうか、、ん?

お前、なぜ布を巻いている?

服はどうしたのだ、、?」
その言葉にもう一人もぎょっとして振り返る。

男が布の端に触れる。
「その身につけている布はー、、

まさか、、」

考えるように止まったかと思うと、
「こちらへおいで。」

「え?」
大きな手が私を掴んだ。


パチパチパチッ!

「きゃっ!」
「っぅ、、!?」


何かが弾けた。
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