エレディンの乙女と青龍の守護者
「道具?」

大きく息をつくと、
くしゃっと金髪を掻き揚げる。
カティナにようやく周りが見えた。

「カティナ。

貴女は少し、いやかなり、

ひとりで先走りすぎる。」


反論しようと再び開きかけたカティナの口を
ウェルロイドは「しぃ」と手振りで制する。

まるで子供扱いなことにカティナは顔を曇らせたが、ウェルロイドは穏やかな口調で続ける。

「私が勝手かどうか、

私の話を一度最後まで聞いて、
それから判断してはどうだろう。」
深い緑の瞳はきらきらと映る。


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