エレディンの乙女と青龍の守護者

「シュナインがまた来ると言ったのか?」

「・・・」
栗色の瞳は大きく瞬きすると、
ぐっと口元を引き締めた。

「貴女に会いに来ると言ったのだな?」


カティナがウェルロイドの質問に答えないので
ウェルロイドはシロカを一瞥したが、
シロカは黙って二人を見守っているだけだ。

シロカからは、カティナとシュナインの会話は
聞こえていなかったと既に報告を受けていた。

「貴方にとって、乙女とはなんですか?!
貴方の思い通りになる道具ですか?
女神様の祝福を、軽く見られているのではないですか?!」

息も荒く、語気は強めだ。

「カティ、、」
だが横を向いたその目尻がうっすら濡れて光るのを
ウェルロイドは見逃さない。


それを指の腹でそっと拭う。

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