溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「相変わらず紳士ねー。ああいう相手にも優しくするから、女がどんどん寄ってくるのよ」

「多恵には関係ないだろ」

「はいはい」


そんなことを考えている私を余所に、ふたりは淡々と会話を交わしている。


二宮くんは、振った女性のことをお酒の場ですらネタにすることもなく、あくまで紳士的だ。
きっと、そういうところも彼の人気の理由なんだろうな、なんて心の中でごちる。


「だいたい、俺は別にモテなくてもいい」

「うわー、モテ男が言うと嫌味になるわね」

「多恵だってモテるだろ? それに、こういうことは他では言わない」

「まーた、そうやって紳士ぶっちゃって」


二宮くんは、諦めたようにため息を落とし、私に視線を寄越した。
ぼんやりとふたりの会話を追っていただけの私は、突然目が合ったことに少しだけ戸惑って、それを誤魔化すように首を僅かに傾げてしまう。


「紳士とかじゃない。ただ、俺は自分が好きになった子が想ってくれるのなら、それだけでいい」


すると、彼が私を真っ直ぐ見つめたまま、真剣な声で言った。

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