極上ショコラ〜恋愛小説家の密やかな盲愛〜【コミカライズ配信中】
「おい、なにしてるんだ。置いて行くぞ」
口調にも言葉にも優しさはないのに、そう言った表情も冷たいのに。
なぜか、篠原の態度に優しさを感じてしまう。
「すみません……」
そんな風に感じる自分自身に戸惑いながらも、彼を追うようにしてエレベーターに乗り込んだ。
無言のままの私たちを運ぶ大きな箱には、重苦しい空気が充満している。
「……コンビニに行かれていたんですか?」
「あぁ」
篠原の手元のビニール袋を見ながら尋ねれば、彼は私を一瞥することもなく短く答えた。お弁当やパンがひしめき合うそれを見て、食生活が心配になる。
エレベーターを降りてから篠原に続いて部屋に入ったものの、なんとなくそれ以上は先に進むことができなくて、玄関で足を止めた。
「先生、あの……」
「原稿なら書斎のデスクにある」
それは暗に、『自分で取りに行け』ということなのだろう。
「……わかりました。お邪魔します」
リビングに入った彼を視界の端に捉えながら靴を脱ぎ、玄関から程近い部屋のドアを開けた。
本棚に囲まれたこの書斎には何度も入っているのに、最近は玄関先やリビングで用件を済ませることが多かったから、どこか懐かしくも思えてしまう。
そんなことを考えながら茶封筒を手にした時、華奢な箱が視界に入ってきた。
口調にも言葉にも優しさはないのに、そう言った表情も冷たいのに。
なぜか、篠原の態度に優しさを感じてしまう。
「すみません……」
そんな風に感じる自分自身に戸惑いながらも、彼を追うようにしてエレベーターに乗り込んだ。
無言のままの私たちを運ぶ大きな箱には、重苦しい空気が充満している。
「……コンビニに行かれていたんですか?」
「あぁ」
篠原の手元のビニール袋を見ながら尋ねれば、彼は私を一瞥することもなく短く答えた。お弁当やパンがひしめき合うそれを見て、食生活が心配になる。
エレベーターを降りてから篠原に続いて部屋に入ったものの、なんとなくそれ以上は先に進むことができなくて、玄関で足を止めた。
「先生、あの……」
「原稿なら書斎のデスクにある」
それは暗に、『自分で取りに行け』ということなのだろう。
「……わかりました。お邪魔します」
リビングに入った彼を視界の端に捉えながら靴を脱ぎ、玄関から程近い部屋のドアを開けた。
本棚に囲まれたこの書斎には何度も入っているのに、最近は玄関先やリビングで用件を済ませることが多かったから、どこか懐かしくも思えてしまう。
そんなことを考えながら茶封筒を手にした時、華奢な箱が視界に入ってきた。